英語の音読は効果ない?初心者がやり方で意識するべき3つのポイントとは?


・英語の音読は効果がない

・英語の音読は効果がある

 

あなたはどちらが正しいと思いますか?

 

 

実は、音読の効果については、

「効果ある」と「効果なし」で、

ネット上、180度違う論調の説明が

見受けられます。

 

 

そもそも、音読による学習方法は、

同時通訳の神様と言われた國弘正雄先生が提唱された

「只管朗読」(しかんろうどく)、

すなわち、ただ英文をひたすら音読するという

シンプルなものですが、

 

そのやり方、ノウハウは、

「英会話・ぜったい・音読」シリーズとして、

2000年に出版され、20年以上も経つ今でも

書店に行けばベストセラーとして販売されています。

 

 

そして、それが何を意味するかというと、

長い歴史に淘汰されることなく

未だに多くの人に実践され続けているということであり、

間違いなく効果ある学習方法であると言えます。

 

 

ただ、

漫然と無思考で1,000回読み上げても

効果は非常に薄いです。

 

実は、

やり方が適切でないまま

「只管朗読」(しかんろうどく)、すなわち、

音読を続けても、

さっぱり英語ができるようにならず、

音読嫌いになってしまう可能性もあります。

 

 

そこで、本日は、

『英語の音読は効果ない?

やり方で意識するべき3つのポイントとは?』

というテーマでお話したいと思います。

 

 

本日の記事をお読みになれば、

音読によって、何の効果が得られるのか?

・音読を実践する上で、何をどう気をつけるべきなのか?

を理解することができます。

 

 

これにより、

英語の音読によって得られる効果を最大限に引き上げ

英語を理解できるスキルを効率よくアップ

させることができます。

 

なので、最後まで読んでみてくださいね!

 

こちらは動画解説です。

 

 

 

そもそも音読は何のためにやるのか

 

音読で得られる効果とは?

 

そもそもの話になってしまうのですが、

音読って何のためにやるのでしょうか?

 

英語力アップ・・・

英会話力アップ・・・

 

なんて説明では不十分です。

 

 

答えを申し上げると、

音読で得られる効果は

「意味理解」の力のアップです。

 

では、「意味理解」とは何なのか?

 

下記の絵「リスニングの音声知覚と意味理解」で

説明しましょう。

 

 

上記の絵は、私たちが英語を聞いた後、

脳の中でどういうプロセスが発生するのか

説明したものです。

 

この絵のプロセスの詳細は、

こちらの記事に詳しく書いてありますので、

ここでは簡単に概要を説明しますと、

 

「英語を聞いて、理解する」というのは、

一例として挙げていますが

①「ヒーズウォーキングオンザストゥリー」と聞こえる

②頭の中で“He is walking on the street.”と認識する(音声知覚)

③頭の中で、男性が通りを歩いているのが思い浮かぶ。(意味理解)

という3つのプロセスを経るものなんですね。

 

音読をする場合は、

英語の文字を見ながら読み上げるので

①と②のプロセスを省略しています。

 

すなわち、音読とは、

英語の文字、文章から、

意味を瞬時に思い浮かべられるようにする

トレーニングなのです。

 

日本語訳ではなく、

意味を情景として思い浮かべられるかが

ポイントになります。

 

 

「意味理解」ができるようになる、とは?

 

では、意味理解ができるようになる、

とはどういうことなのか?

 

試しに、次の文章を音読してみてください。

川端康成の小説「雪国」の冒頭部分です。

ーーーーー

国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。

夜の底が白くなった。

信号所に汽車が止まった。

向側の座席から娘が立って来て、

島村の前のガラス窓を落した。

雪の冷気が流れこんだ。

娘は窓いっぱいに乗り出して、遠くへ呼ぶように、

「駅長さあん、駅長さあん」

・・・

ーーーーー

これを音読すると、

自然に頭の中で

情景が思い浮かびませんでしたか?

 

・雪国の景色

・停車する汽車

・娘が座席の窓を開ける

・車内に冷気が入り込んでくる

 

日本語なら、読み上げながら、

頭の中でスムーズに意味理解ができると思います。

 

こういったことを

英語の文章を使ってもできるようにしていくのが

音読トレーニングの目的になるのです。

 

では、音読で英語はしゃべれるようにならないの?

 

英語を話せるようになるために

音読を実践しているのであれば、

それはすぐに止めるべきです。

 

音読は目から入ってきた英語の情報を

頭の中で素早く理解するためのトレーニングです。

 

現に、『音読パッケージシリーズ』で有名な

森沢洋介先生(瞬間英作文を普及させたことで有名な先生です)は、

英語を話せるようになるために音読を実践し、

「3年」を浪費したことを著書の中で語っています。

(「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」ベレ出版)

 

英語の音読のやり方で意識するべき3つのポイントとは?

 

英語の音読を実践する際に意識すべきポイントは、

次の3つです。

 

1 自分の語彙力で意味が理解できる素材を使う

2 回数をこなす

3 「訳」ではなく「意味(情景)」を瞬時にイメージしていく

 

 

では、順番に見ていきましょう。

 

1 自分の語彙力で意味が理解できる素材を使う

 

音読の目的は、読み上げながら直読直解で

瞬時に意味を読み取れるようになることです。

 

読み上げながら意味を取っていくので、

「あれっ?この単語意味わからないぞ。」

とか

「この文の構造がよく分からないぁ~」

とか

やっているヒマというか、時間はありません。

 

 

そのため、

音読用に用意する素材は、

自分の語彙力でほぼすべての意味が

わかる程度のものにします。

 

例えば、音読教材の鉄板である

國広正雄先生の「英会話・ぜったい音読シリーズ」は

せいぜい中学レベルなんです。

 

もし、自分で用意した素材に

意味の分からない単語や構文(文法)があれば、

トレーニングの前に調べておきましょう。

 

あと、音声データがあるものを選びましょう。

シャドーイングのトレーニングにも活用できるからです。

 

2 回数をこなす

 

音読は回数をこなすことがポイントです。

 

「みるみる英語力がアップする音読パッケージ」

で有名な森沢洋一先生は、100回を推奨しています。

 

でも、ただ読むだけではダメです。

 

単にやみくもに、意味も分からないお経を100回読んでも、

意味を理解して、それを人に説明できるようにはなりません

 

先ほど例に出した

川端康成の「雪国」を読むように、

読みながら情景まで浮かべられるよう

トレーニングを積んでいくのです。

 

そのような状態になるまでには、

自分で意味が分かる素材を用いて

何度も繰り返す必要があるというわけです。

 

ですので、100回はあくまで目安であって、

読み上げながら、スムーズに意味が思い浮かぶレベルまで

達することができればOKとも言えます。

 

 

3 「訳」ではなく「意味(情景)」を瞬時にイメージしていく

 

ここまで何度か申し上げていますが、

音読の目的は「意味理解」の力を

アップさせることです。

 

例えば、

“mountain”という単語が出てきたときに、

「あっ、これは『山』だ!」

と日本語訳が分かったとしても不十分です。

 

具体的に下の写真のようなイメージが

頭の中に思い浮かべられる必要があります。

なお、念のためですが、

別に、富士山である必要はありません(笑。

 

 

ここで、

感の良い方ならお気づきかと思いますが、

意味理解の力を向上させるためには、

洋書等の「多読」なんかも非常に効果的です。

 

そうなんです。

 

はっきり申し上げると、

音読はリーディング力をつける

トレーニングなんですね。

 

声に出せば ⇒ 音読

声を出さなければ ⇒ 黙読

意味理解の力を上げるには、実は黙読でも構わないのです。

 

でも、黙読の場合、

英語を返り読みしてしまうというリスクがあります。

 

 

一方、音読は、情景を思い浮かべながら

英語の語順のまま理解していくトレーニングですので、

返り読みをどうしてもしてしまう方にも

有効な学習方法と言えます。

 

【まとめ】英語の音読は初心者こそおススメ

 

さて、ここまで、

音読を実践する目的、

効果的なやり方を説明してきました。

 

音読はやればやるほど、

英語の語順のまま

英語を受け入れる体質ができあがります。

 

英語の初心者であると思う方ほど、

最初は音読がおススメです。

 

なぜなら、シャドーイングのように

音がスタートではなく、英文をスタートして

英語の理解力を鍛えるので、

「負荷が軽い」からです。

 

 

音読で意識する3つのポイントである

1 自分の語彙力で意味が理解できる素材を使う

2 回数をこなす

3 「訳」ではなく「意味(情景)」を瞬時にイメージしていく

を守って、是非、実践してみてください。

 

そして、少しずつ、

難易度の高いものにシフトしていけば、

いつの間にか、難しい英文でも

直読直解できるようになっていきますよ(^^♪

 

 

さて、本日の説明は、

英語のインプットとアウトプットでいうところの

「インプット」についてのお話でした。

 

音読って、口から英語を発しているから

「アウトプットじゃないの?」

と思われるかもしれません。

 

でも、

第二言語習得論で有名な白井恭弘教授は

その著書の中で、

「アウトプット活動ということで、

音読とか、リピーティングとか

思いつく人もいると思いますが、

これらは、実はSLA(第二言語習得研究)でいう

アウトプットではありません。」

と述べているんですね。

 

英語をスラスラ話せるようになるには、

アウトプットの練習なくしては不可能です。

 

本当の意味のアウトプットは、

自分が「言いたいこと」を

言語表現に変えることです。

 

ですので、英語学習は、

どのスキルにどのようなトレーニングが効果的なのか理解し、

しっかり計画を立てて臨むようにしましょう。

 

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【参考文献】

マンガでわかる 最速最短! 英語学習マップ
StudyHacker ENGLISH COMPANY (著)

英語はもっと科学的に学習しよう
SLA(第二言語習得論)からみた効果的学習法とは
(白井恭弘著)